Japanese
English
臨床報告
肝細胞癌に対するTAE施行後に発生した小腸間膜デスモイド腫瘍の1例
A case of mesenteric desmoid tumor of the small intestine occuring after transcatheter arterial embolization (TAE) for hepatic cell carcinoma (HCC)
中谷 和義
1
,
徳原 克治
1
,
良田 大典
1
,
尾崎 岳
1
,
中根 恭司
1
,
權 雅憲
1
Kazuyoshi NAKATANI
1
1関西医科大学附属枚方病院外科
キーワード:
デスモイド
,
腹腔内
,
腸間膜
Keyword:
デスモイド
,
腹腔内
,
腸間膜
pp.351-355
発行日 2014年3月20日
Published Date 2014/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104989
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要旨
患者は64歳,男性.肝細胞癌に対するtranscatheter arterial embolization(TAE)施行後,経過観察中のCT検査にて腹腔内腫瘤を認めた.その後経過観察されていたが,腫瘤確認5か月後の腹部造影CT検査にて腫瘍の増大を認めたため,当科を紹介された.腸間膜の悪性充実性腫瘤,腸間膜リンパ管腫,gastrointestinal stromal tumor(GIST)などを疑い手術を施行した.腹腔鏡下観察にて,腫瘍はTreitz靱帯近傍に位置することを確認し,開腹に移行して同部小腸を含む腫瘍切除術を施行した.病理学所見ではCD34,bcl-2,c-kit,desmin,S-100蛋白,α-SMAは陰性であった.β-カテニンにて一部の紡錘細胞の核や細胞質に陽性を示したため,デスモイド腫瘍と診断された.術後経過は良好で術後9日目に退院となった.術後3か月現在,再発徴候はなく経過している.
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