Japanese
English
症例
Aggressive Fibromatosis(腹壁外デスモイド)の1例
Aggressive fibromatosis (extra abdominal desmoid)
上田 茜
1
,
中野 純二
1
Akane UEDA
1
,
Junji NAKANO
1
1徳山中央病院,皮膚科(主任:中野純二主任部長)
キーワード:
aggressive fibromatosis
,
デスモイド
,
局所浸潤性
,
局所再発
,
β-カテニン
Keyword:
aggressive fibromatosis
,
デスモイド
,
局所浸潤性
,
局所再発
,
β-カテニン
pp.1133-1136
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004680
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87歳,女性。数年前より左足底の腫脹を自覚していた。近医での除去後に生じた皮膚潰瘍の下床に4×3cm大の紅色硬性腫瘤が出現した。良性腫瘍として辺縁切除が行われた1カ月後に再発し,急速に増大した。組織学的に異型性のない紡錘形の腫瘍細胞が豊富な膠原線維を伴って束状に増殖していた。組織所見と局所浸潤性の強さ,早期の局所再発および急速に増大した臨床経過よりaggressive fibromatosisと診断した。本症は局所浸潤性が非常に強く,再発率が高いものの遠隔転移をしない線維芽細胞増殖性の中間型悪性腫瘍に分類されている。治療において,治療介入せずに慎重に経過を観察するwait and see policyも選択肢のひとつとしてあげられ,治療法の選択は慎重に行う必要がある。
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