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特集 ディベート★消化器・一般外科手術―選ぶのはどっちだ!
消化器外科手術
テーマ2◆幽門側胃切除後の再建法
幽門側胃切除後の再建法:「Billroth Ⅰ法」の立場から
Reasons for a choice of Billroth I following distal gastrectomy
瀧口 修司
1
,
宮崎 安弘
1
,
高橋 剛
1
,
黒川 幸典
1
,
山崎 誠
1
,
宮田 博志
1
,
中島 清一
1
,
森 正樹
1
,
土岐 祐一郎
1
Shuji TAKIGUCHI
1
1大阪大学消化器外科
pp.148-153
発行日 2014年2月20日
Published Date 2014/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104937
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Billroth Ⅰ(BⅠ)法とRoux-en-Y(RY)法を比較する無作為比較試験を実施し,BⅠ法を実施する根拠となった試験結果を以下に述べる.【試験方法】対象は,BⅠ法でもRY法でも再建可能と判断される胃癌症例である.術中登録で適格性を確認後,両群をランダム割付し,主評価項目は術後1年目の体重減少割合とした.【結果】332例が登録された(BⅠ群163例,RY群169例).両群間で背景因子に偏りはなかった.出血量に変わりはなく,手術時間はRY群で有意に長かった(RY群214±180,BⅠ群210±217(分)p<0.001).術後短期合併症はRY群で嘔吐,胃内容停滞などが有意に多かった.術後1年目の体重減少割合はBⅠ群9.1%,RY群9.7%と有意差を認めず(p=0.39),そのほかの栄養指標においても有意差を認めなかった.【結果】1年目の術後の栄養状態,QOLなどに大きな差はなかった.以上の結果から,手術が簡便で,術後短期成績に優れているBⅠ法を選択すべきだと結論した.ただし,逆流性食道炎は,BⅠ法での克服すべき課題である.
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