必見! 完全体腔内再建の極意・11
幽門側胃切除術後再建―Billroth-Ⅱ 再建
佐藤 誠二
1
,
河村 祐一郎
1
,
石川 健
1
,
須田 康一
1
,
石田 善敬
1
,
宇山 一朗
1
Seiji SATO
1
1藤田保健衛生大学上部消化管外科
pp.242-251
発行日 2014年2月20日
Published Date 2014/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104962
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■■はじめに
われわれの施設では,①吻合径が大きい,②再建時の消化管に無理なテンションがかからない,③追加の小切開が不要,④肥満など体型に影響されない,などの理由から腹腔鏡下胃切除はリニア・ステイプラーを用いた完全体腔内再建を基本手技としている.幽門側胃切除では,Billroth-Ⅰ法(B-Ⅰ)を標準としているが,以下のような症例ではBillroth-Ⅱ法(B-Ⅱ)を選択している.
1)胃切除後の残胃が小さいためB-Ⅰが困難な場合.ただし術前にGERDや食道裂孔ヘルニアを認めない症例.
2)胃癌の切除のため十二指腸の切除長が長くなりB-Ⅰが困難な場合.
B-Ⅱ選択の理由は以下の通りである.
1)残胃と空腸の自由度が高いので,リニア・ステイプラーによる再建が容易である.
2)Roux-en-Y法よりも吻合数が少なく低コストである.
3)B-Ⅱは小腸間膜の欠損部がないのでRoux-en-Yよりも内ヘルニアの発生部位が少ない.
4)残胃癌の発生はメタアナリシスでB-Ⅰ= B-Ⅱであり1),術後短期合併症も同等である2).
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