特集 消化器外科手術の論点2020 誌上ディベートと手術手技
胃外科 7 幽門側胃切除後の再建法 Billroth-Ⅰ法の立場から
佐川 弘之
1
,
瀧口 修司
1
1名古屋市立大学消化器外科
キーワード:
胃癌
,
ロボット支援手術
,
再建法
Keyword:
胃癌
,
ロボット支援手術
,
再建法
pp.486-492
発行日 2020年3月31日
Published Date 2020/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001622
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1881年1月,Theodor Billrothが前庭部胃癌患者に対して幽門側胃切除術を行い,再建を残胃と十二指腸の漿膜筋層端々吻合(Billroth-Ⅰ法)としたことに胃癌手術の歴史が始まる1)。消化器外科領域において,術後のQOL(quality of life)を高めるうえでも安全かつ確実な再建は必要不可欠である。近年,吻合器・縫合器の進歩は著しく,操作性と安全性が向上した結果,腹腔鏡手術での使用頻度が急速に伸びてきた。その再建法も,小開腹創から直視下に自動吻合器を用いて器械吻合してきたものから,自動縫合器を複数本使用した完全体腔内再建法(Overlap吻合・Delta吻合・三角吻合)へと変遷してきた。われわれは2018年3月よりロボット支援手術を導入し,全胃癌症例をその適応としている。再建において意識すべき着眼点は,腹腔鏡手術と大きな相違点はないものの,ロボット手術の特性を理解する必要がある。今回,ロボット支援下に施行するBillroth-Ⅰ法(Delta吻合)再建の実際の手技を紹介する。
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