特集 術前画像診断のポイントと術中解剖認識
Ⅳ.肝・胆・膵
肝移植
金子 順一
1
,
菅原 寧彦
1
,
田中 智大
2
,
石沢 武彰
1
,
青木 琢
1
,
阪本 良弘
1
,
長谷川 潔
1
,
田村 純人
1
,
國土 典宏
1
Junichi KANEKO
1
1東京大学医学部附属病院肝胆膵外科・人工臓器移植外科
2東京大学医学部附属病院臓器移植医療部
pp.248-252
発行日 2013年10月22日
Published Date 2013/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104815
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術前に必要な基本の画像
肝移植レシピエントの術前に必要な最も基本的な画像検査は胸部単純CT,腹部造影CT,腹部超音波である.劇症肝炎における頭部CT,重症肝不全に合併する心不全の評価や肝硬変に合併する肺高血圧症の除外のため心臓超音波検査も必要である.原発性硬化性胆管炎など,胆管病変の評価ではMR胆管膵管撮影(MRCP)を追加する.肝移植においては,通常の解剖を見ておくことに加え,過去にどのような治療がどの程度行われたか,詳細な病歴を把握したうえで画像をよく見ることが重要である.また,肝細胞癌があれば個数と大きさ,他臓器悪性腫瘍の合併の有無も確認する.門脈圧亢進症としておもに門脈の血流に異常をきたしていることが多いため,画像で確認する.
本稿では,基本的な画像検査である胸部単純CT,腹部造影CT,腹部超音波で術前に読み取ることが必要な事項について述べる.
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