術後胆道合併症の防止とその対策
生体肝移植 レシピエント 術後胆管狭窄に対する内視鏡的治療
辻野 武
1
,
伊佐山 浩通
,
菅原 寧彦
,
八島 陽子
,
八木岡 浩
,
有住 俊彦
,
冨樫 順一
,
松井 郁一
,
金子 順一
,
笹平 直樹
,
平野 賢二
,
田村 純人
,
多田 稔
,
川邊 隆夫
,
國土 典宏
,
幕内 雅敏
,
小俣 政男
1東京大学 消化器内科
キーワード:
肝臓移植
,
病的狭窄
,
術後合併症
,
胆管疾患
,
内視鏡的逆行性胆道膵管造影
,
バルーン拡張法
,
吻合術
,
治療成績
,
リビングドナー
,
経皮経肝胆道ドレナージ
,
内視鏡的胆道ドレナージ
,
吻合部狭窄
Keyword:
Cholangiopancreatography, Endoscopic Retrograde
,
Bile Duct Diseases
,
Anastomosis, Surgical
,
Constriction, Pathologic
,
Postoperative Complications
,
Liver Transplantation
,
Treatment Outcome
,
Living Donors
pp.971-977
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008318962
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本邦において生体肝移植は従来の治療法では致死的であった末期肝疾患の根治的治療法として定着した感があるが、胆管狭窄は依然と比較的高頻度に認められる術後合併症である。胆道再建として胆管胆管吻合が行われた場合、胆管狭窄に対する内視鏡的治療が可能であるが、生体肝移植特有の胆管像(移植肝の代償性肥大により屈曲した胆管、複数の細い胆管吻合)が胆管狭窄に対する内視鏡的アプローチを困難にしている。生体肝移植後の胆管狭窄に対する内視鏡的治療の報告は少なく、またその成績も決して満足のいくものではない。しかし内視鏡的治療は開腹手術や経皮経肝的治療に比べて侵襲度が少なく、生体肝移植後の胆管狭窄に対する第一選択の治療法として施行すべきである。
©Nankodo Co., Ltd., 2008