特集 術前画像診断のポイントと術中解剖認識
Ⅳ.肝・胆・膵
膵頭部癌
丹羽 由紀子
1
,
神田 光郎
1
,
藤井 努
1
Yukiko NIWA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学
pp.209-213
発行日 2013年10月22日
Published Date 2013/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104809
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はじめに
外科的切除の適応のある膵頭部癌に対する標準術式は,系統的リンパ節郭清を伴う膵頭十二指腸切除術(PD)である.癌遺残のないR0手術を達成するためには,術前画像診断による腫瘍の進展範囲を正確に評価し,血管合併切除を含めた至適な術式の決定が必要である.また,PDにおいて分枝血管の切離および周囲リンパ節郭清が必要となる,腹腔動脈(CA)系,上腸間膜動脈(SMA)系,門脈(PV)系の分岐・走行にはバリエーションが多く,その分岐形態を術前に把握しておく必要がある.本稿では,膵頭部癌に対するPDを安全かつ確実に施行するために術前検査にて確認すべきポイントについて,CT画像所見と実際の術中写真を示しつつ解説する.
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