膵癌の外科治療は進歩したか
膵頭部癌 膵頭部癌治療成績の向上とその方策
脊山 泰治
1
,
國土 典宏
1東京大学 肝胆膵・人工臓器移植外科
キーワード:
膵臓腫瘍
,
膵頭十二指腸切除
,
生存率
,
治療成績
,
放射線化学療法
Keyword:
Pancreatic Neoplasms
,
Survival Rate
,
Treatment Outcome
,
Pancreaticoduodenectomy
,
Chemoradiotherapy
pp.601-607
発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008227101
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膵頭部癌の切除率は上昇傾向があるもののまだ低く、治癒切除率、長期生存率も著明な改善が得られていない。膵頭部癌に対する外科治療は膵頭十二指腸切除術でありその安全性は向上したが、拡大リンパ節、神経叢郭清は推奨されない。外科治療の質を高めるために今後high volume centerへの集中などが考えられる。予後因子についてはリンパ節転移と剥離面の残癌状態の正確な評価が重要であり、リンパ節の評価では検索個数、陽性個数の意義が提唱されている。今後は適応を吟味し正確な病期診断をすることにより予後を予見し、化学療法、放射線療法による集学的治療の中での位置づけが重要となると考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2008