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あとがき
瀬戸 泰之
pp.1272
発行日 2013年10月20日
Published Date 2013/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104776
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文字通り,うだる(“ような”ではない!)猛暑が続いている.ついに,日本国内で最高気温が観測史上初めて41℃に達し,かつ最高気温40℃超えが,これもまた史上初めて4日連続となった.東京では最低気温が30℃を下回らず,これも史上初めてとのことである.「暑い」話ばかりで恐縮だが,本号の特集もまた「熱い」内容となっている.外科指導者の若手に対する「熱い」気持ちのことである.もともと外科トレーニングは技術の伝承であり,徒弟関係になぞらえられた.指導的立場の外科医の医療技術(手技だけではない)を注意深く観察し,そして「まね」することが外科医トレーニングの始まりであった.ゆえに,その厳しさの程度は,ひとえに指導者の姿勢によったものである.筆者も,どちらかといえば徒弟関係で鍛えられた世代である.しかしながら,本号を拝読すると,システムとしての外科医トレーニングが定着しつつあることを感じる.ただ,施設(あるいは外科代表者)によって若干の違いはあるようだ.もしかすると,それは指導医の世代による違いかもしれない.その是非はともかく,そのシステムの中で,いかに厳しく,かつ温かく育てるかに苦心されているかが若手にも伝わることを期待したい.
昨今,あらたな専門医制度をめざした動きが活発になっている.しかしながら,冒頭にもあるように,外科系は先人の尽力により,他に誇るべき専門医制度を構築してきた.若手もその下で,外科専門医そしてsubspeciality専門医をめざして奮闘しているのである.少なくとも,この制度を維持し,かつ若手にさらに魅力を感じてもらえるような外科医の環境を構築することが,われわれの責務であると痛感している.
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