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あとがき
瀬戸 泰之
pp.736
発行日 2012年5月20日
Published Date 2012/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104094
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「次代のminimally invasive surgery」とは何か? この難問に本特集は見事に答えてくれている.小生が医師になった28年前,鼠径ヘルニアではMcvayかBassiniかを議論したものである.もちろん,plug自体が存在しなかった.乳癌はほとんどの症例でHalstedが行われた.術後は,ボールを手にし,壁に向かって上肢を徐々に挙げていくリハビリが常であった.大胸筋を切除したあとは,皮膚と肋骨が目立つ胸壁のみで,確かに痛々しかった.その当時,患者さんには選択の余地がなかった.隔世の感がある.
手技は確実に変化し,前進・進歩している.とすれば,5年後,10年後の姿はどうなっているのか.それはすでに萌芽しているはずである.キーワードは「創の縮小」と「機能温存」であることが本特集から窺える.内視鏡下手術の導入は大きな進歩であった.それに伴う機器の発達も目を見張るものがある.まだまだ進歩するに違いない.しかし,それだけではないことも本特集は伝えてくれる.おそらく,これからも日常診療における素朴な疑問や患者さんからの訴えなどが原動力になっていくものと確信している.Technicalのみならず,oncologicalにおいても外科学の益々の,さらなる発展を期待してやまない.
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