Japanese
English
臨床報告
コハク酸ヒドロコルチゾンにより重篤なアナフィラキシーショックをきたした膵癌手術後の1例
Intravenous hydrocortisone sodium succinate inducing anaphylactic shock in a case of pancreatic cancer resection
三輪 高也
1
,
山村 義孝
1
,
福岡 伴樹
1
,
村井 俊文
1
,
佐野 正明
1
,
新木 智映子
2
Takaya MIWA
1
1名古屋記念病院外科
2名古屋記念病院薬剤部
キーワード:
コハク酸ヒドロコルチゾン
,
アナフィラキシーショック
,
皮内テスト
Keyword:
コハク酸ヒドロコルチゾン
,
アナフィラキシーショック
,
皮内テスト
pp.509-512
発行日 2011年4月20日
Published Date 2011/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103518
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要旨
症例は58歳,男性,膵頭部癌に対して外科手術を施行した.術後第1病日にFFPを投与したところ,膨隆疹が出現したのでコハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム(サクシゾン®)100mgを静注した.数分後に呼吸困難と血圧低下をきたしたが,集中治療により1時間後に回復した.輸血によるアレルギー反応と判断し,サクシゾン500mgを再静注したところ,その直後に再び血圧が低下し酸素化も不良の重篤なショック状態となった.薬剤アレルギーの既往はなかったが,経過と皮内反応試験などからサクシゾンがアナフィラキシーショックの原因と判断した.アレルギー治療薬であるはずのステロイド薬が,重篤なアレルギー反応を引き起こした症例を経験した.
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