ヒドロコルチゾン酪酸エステルと過酸化ベンゾイルによるアレルギー性接触皮膚炎の1例

Allergic contact dermatitis due to hydrocortisone butyrate and benzoyl peroxide

21歳，女性。顔面パック後に生じた左頰部の皮疹に対して，ヒドロコルチゾン酪酸エステル軟膏を外用したところ浸潤性紅斑を生じた。5年後，尋常性痤瘡に対して，過酸化ベンゾイルゲルを外用したところ紅斑，丘疹を生じた。外用薬の成分別パッチテストでは，ヒドロコルチゾン酪酸エステル軟膏の主剤が陽性，基剤はすべて陰性であった。一方，過酸化ベンゾイルゲルの製品の希釈系列が陽性，基剤はすべて陰性であった。以上よりヒドロコルチゾン酪酸エステルと過酸化ベンゾイルによるアレルギー性接触皮膚炎と診断した。さらに使用経験のないステロイド外用薬でもパッチテスト陽性であり，ステロイド骨格や側鎖の類似性により交叉感作をきたしたと推測した。また，過酸化ベンゾイルはステロイド外用薬とは別個に感作されたと考えた。