特集 できる!縫合・吻合
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
4.小腸
回腸瘻(人工肛門)造設術の縫合
衣笠 哲史
1
,
赤木 由人
1
,
白土 一太郎
1
,
吉田 武史
1
,
龍 泰彦
1
,
白水 和雄
1
Tetsushi KINUGASA
1
1久留米大学医学部外科学講座
pp.213-216
発行日 2009年10月22日
Published Date 2009/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102801
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はじめに
人工肛門には,その形態から単孔式または双孔式人工肛門,用いた腸管から結腸または回腸人工肛門,さらにその使用期間から永久的または一時的人工肛門など,いくつかの分類がある.
最近では,肛門にきわめて近い下部直腸癌に対して括約筋切除肛門温存術(intersphincteric resection:ISRやexternal sphincter resection:ESR)など新しい手術術式の開発や,炎症性腸疾患,特に潰瘍性大腸炎に対する大腸全摘術に際し,吻合部の安静を保つために,一時的回腸人工肛門造設術を施行する機会が多くなってきた.別名,カバーリングあるいはダイバーティングイレオストミー(covering ileostomy, diverting ileostomy)とも呼ばれる.吻合部の状態が問題ないことを確認した後(多くの場合,初回手術から3か月~6か月後)に閉鎖する.
今回,本稿では回腸を用いた一時的双孔式人工肛門造設術の縫合について述べる.
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