Japanese
English
特集 転移性腫瘍に対する治療戦略
副腎・脾転移に対する治療戦略
Surgical treatment for adrenal or splenic metastases from various malignant neoplasms
島田 和明
1
,
江崎 稔
1
,
伴 大輔
1
,
山本 有祐
1
,
奈良 聡
1
,
阪本 良弘
1
,
小菅 智男
1
Kazuaki SHIMADA
1
1国立がんセンター中央病院肝胆膵外科
キーワード:
副腎転移
,
脾転移
,
外科切除
,
予後
Keyword:
副腎転移
,
脾転移
,
外科切除
,
予後
pp.1547-1553
発行日 2009年11月20日
Published Date 2009/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102866
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要旨:副腎・脾転移は全身転移の1転移巣であることが多く,切除の適応となることは稀である.しかしながら,(1)孤立性転移巣であること,(2)ほかに原発巣や転移巣があっても十分に治療でコントロールが可能であること,(3)出血などの有症状例,(4)全身状態が良好であることなどの条件を満たせば外科切除の適応となる.現在までの切除報告例の検討によると,副腎転移は肺癌,肝細胞癌からの転移,脾転移は大腸癌からの転移が多かった.副腎転移は悪性疾患の既往のある副腎偶発腫陽との鑑別が臨床上重要であり,非機能性褐色細胞腫も念頭に置くべきである.外科切除の有用性にはいまだ議論のあるところではあるが,長期生存例の報告も散見されている.症例ごとに画像診断および生物学的悪性度を慎重に評価し,安全で低侵襲な手術を心がけることが重要である.
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