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特集 転移性腫瘍に対する治療戦略
転移性膵腫瘍に対する治療戦略
Management of metastases to the pancreas from nonpancreatic primary cancers
吉富 秀幸
1
,
木村 文夫
1
,
清水 宏明
1
,
吉留 博之
1
,
大塚 将之
1
,
加藤 厚
1
,
古川 勝規
1
,
竹内 男
1
,
高屋敷 吏
1
,
須田 浩介
1
,
高野 重紹
1
,
宮崎 勝
1
Hideyuki YOSHITOMI
1
1千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学
キーワード:
膵切除
,
転移性膵腫瘍
,
腎癌
Keyword:
膵切除
,
転移性膵腫瘍
,
腎癌
pp.1539-1545
発行日 2009年11月20日
Published Date 2009/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102865
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要旨:転移性膵腫瘍に対する治療について,外科切除を中心に最近の報告をまとめた.本疾患は膵腫瘍切除例の1~2%を占めるにすぎない.原発巣は,腎癌が切除例の半数以上を占める.切除術式としては,通常型膵癌に準じた定型的な膵切除術が行われることが多い.特に約2割の症例で膵転移が多発しており,根治切除のためには膵全摘術が必要になることもある.膵切除後の予後をみると,腎癌原発症例においては生存期間中間値が100か月以上と良好である一方,肺癌や悪性黒色腫では予後不良な報告が多い.われわれもこれまでに4例の腎癌からの転移性膵腫瘍の切除例を経験し,全例が生存中である(観察期間10~79か月).以上から,特に腎癌からの転移性膵腫瘍に対しては積極的に外科切除を考慮すべきであると考えられた.
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