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あとがき
桑野 博行
pp.438
発行日 2009年10月22日
Published Date 2009/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102856
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「臨床外科」増刊号,特集『できる!縫合・吻合』をお届けいたします.本特集は1998年にも増刊号「縫合・吻合法のバイブル」として刊行されております.爾来この11年の間,外科学は目覚ましい変貌を遂げ,特に内視鏡下手術の導入や,新しい医療機器の開発などによってparadigm shiftがもたらされました.このことは外科学の基本手技たる縫合法や吻合法にも大きな変化をもたらし,さらにこの手技の変化はそれ自体にとどまることはなく,手術の際のチームワークにおける術者,助手そして介助者の役割のあり方や,手術手技の教育法,さらに安全管理など多岐にわたる局面に変革がもたらされたことも事実であります.このような変遷に伴って,最新の手技および技術,そして考え方,あり方を紹介することの重要度はきわめて大きく,まさに本特集は時宜を得たものと考えられ,多くの方々に読んでいただく意義は大なるものがあると考えております.
一方,最新の手技ならびに技術を知ることと同様に重要なことは,今日までの発展に至った歴史的経過を知ることだと思います.そのような時間の軸,もしくは流れを念頭に学ぶことによって新たな技術の発展や進歩がもたらされるものと信じております.歴史を顧みる観点から,たとえば消化管吻合に関しては佐藤裕先生が「腸管吻合法の歴史的変遷」「Roux-en-Y吻合の創始者César Roux(1857~1934)」として本誌の61:1651-1656,2006および62:105-107,2007にそれぞれ詳細を記しておられるので,ぜひご一読をお勧め致します.
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