--------------------
あとがき
桑野 博行
pp.1142
発行日 2011年8月20日
Published Date 2011/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103697
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
この『臨床外科』第66巻8号が発刊されるのは,本年3月11日の東日本大震災から5か月が経過した時期となりますが,いまだに苦難の日々を送っておられる多くの方々に思いをいたしつつ,この文章を書いております.お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし,哀悼の意を表しますとともに,ご遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます.また被災者の皆様の一日も早いご回復と地域の復旧をお祈り致し,復興,支援にご尽力されている多くの方々に心より感謝と敬意を表します.そして私自身,短期的にもまた長期的,継続的にも,外科医として,医師として,そして社会人,日本国民として何らかの貢献ができないものかと模索しつつ,有形無形の,また直接的,間接的に力を尽くしてゆきたいと考えております.
さて一方で,私たちは日常をどのように送ってゆくべきかを考えたとき,被災地の苦難に心を置きつつも,しっかりとわれわれがなすべき診療,教育,研究に今まで以上に力を注ぐべき時であると思います.作家,故・開高 健氏が生前好んで述べた詩人ゲオルグの「明日,世界が滅びるとしても,今日,あなたはリンゴの木を植える」という言葉を改めてかみしめております.この大震災を機に私たちのあり方,生き方を今一度考えなおす時でしょう.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.