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特集 胆囊癌根治手術をめぐる諸問題
〔肝切除範囲〕
胆囊癌の肝内進展様式に基づく適切な肝切除範囲
Extent of liver resection for gallbladder carcinoma
若井 俊文
1
,
白井 良夫
1
,
坂田 純
1
,
永橋 昌幸
1
,
味岡 洋一
2
,
畠山 勝義
1
Toshifumi WAKAI
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野
2新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学分野
キーワード:
胆囊癌
,
肝切除
,
肝内進展様式
,
肝転移
,
リンパ管浸潤
Keyword:
胆囊癌
,
肝切除
,
肝内進展様式
,
肝転移
,
リンパ管浸潤
pp.1085-1092
発行日 2009年8月20日
Published Date 2009/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102658
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要旨:胆囊癌の肝内進展には,直接浸潤,グリソン鞘浸潤,転移結節の3様式があり,切除例に限れば前2者が主要な様式である.肝内進展を伴う胆囊癌42症例(自験例)の検討では,直接浸潤単独7例,グリソン鞘浸潤24例,転移結節11例であった.肝内直接浸潤単独の4例,グリソン鞘浸潤の4例が術後5年以上生存したが,転移結節では全例術後11か月以内に原病死していた.さらに,5年生存した8例では癌遺残のない手術(R0手術)が行われていた.肝内進展様式(p<0.001),遺残腫瘍の有無(p<0.001)のみが独立予後規定因子であり,肝切除範囲(肝葉切除未満vs肝葉切除以上)は遠隔成績に影響を与えなかった(p=0.6700).肝内進展に対しては肝切除範囲にかかわらずR0手術を実施することが重要であり,胆囊癌に対する肝切除の基本術式は肝切離マージンを確保した胆囊床切除と考えられる.
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