Japanese
English
特集 胆囊癌根治手術をめぐる諸問題
〔T2症例の根治手術〕
T2胆囊癌に対する外科切除
Surgical resection for T2 gallbladder cancer
阪本 良弘
1
,
奈良 聡
1
,
江崎 稔
1
,
島田 和明
1
,
小菅 智男
1
Yoshihiro SAKAMOTO
1
1国立がんセンター中央病院肝胆膵外科
キーワード:
T2胆囊癌
,
肝外胆管切除
,
リンパ節郭清
,
神経周囲浸潤
Keyword:
T2胆囊癌
,
肝外胆管切除
,
リンパ節郭清
,
神経周囲浸潤
pp.1057-1063
発行日 2009年8月20日
Published Date 2009/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102652
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要旨:肝転移や傍大動脈リンパ節転移などの遠隔転移を有しないT2胆囊癌の予後は一般に良好である.T2胆囊癌に対して,当科では切除断端の陰性化を目的とした肝部分切除と2群以下のリンパ節郭清を組み合わせた拡大胆囊摘出術を標準術式としているが,術前・術中の診断に基づいて様々な術式が施行されてきた.肉眼的根治切除を行ったT2胆囊癌47例の検討では遠隔転移を除けば神経周囲浸潤の存在が唯一の独立した予後不良因子であり,神経周囲浸潤を認めない症例(n=38)の5年生存率が86%であるのに対して,陽性例(n=9)では0%と際立った対比を示した.神経周囲浸潤陽性例は切除断端も陽性となりやすく,T2胆囊癌でも断端の陰性化を目的とした肝外胆管切除が必要な場合があると考えられる.
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