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特集 消化器外科術後合併症の治療戦略―私たちはこのように治療している
膵頭十二指腸切除後の膵液漏対策
Management of pancreatic fistula following pancreatoduodenectomy
阪本 良弘
1
,
小菅 智男
1
,
島田 和明
1
,
江崎 稔
1
,
佐野 力
2
Yoshihiro SAKAMOTO
1
1国立がんセンター中央病院肝胆膵外科
2愛知県がんセンター中央病院消化器外科
キーワード:
膵頭十二指腸切除
,
膵空腸吻合
,
膵液漏
,
縫合不全
Keyword:
膵頭十二指腸切除
,
膵空腸吻合
,
膵液漏
,
縫合不全
pp.1619-1623
発行日 2006年12月20日
Published Date 2006/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101657
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要旨:膵頭十二指腸切除後の代表的な合併症は膵空腸吻合の縫合不全および膵液漏であり,ときに致命的となる.対処法としては,膵液漏の発生を的確に診断し,適正なドレナージを行って膿瘍を限局させ,確実に治癒を促すことが最も重要である.当科では膵空腸吻合部周囲には2本の閉鎖式ドレーンを挿入し,間欠的持続吸引を行っている.膵液漏を認めた場合は,約2週間後からドレーンを定期的に交換し,膿瘍腔の縮小を待つ.ドレナージ不全症例に対しては,CTガイド下の膿瘍ドレナージが必要な場合もある.動脈からの出血を認めた場合は,血管造影下の塞栓が有効である.最近2年間に140件の膵空腸吻合術を行った.膵液漏の頻度はISGPFによる国際基準では54%と判定されたが,ドレーン留置期間と在院期間の中央値はそれぞれ16,27日で,在院死亡率は0%であった.
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