知っておくべき胆嚢癌の診療方針
外科治療 肝外胆管切除は必要か
阪本 良弘
1
,
江崎 稔
,
島田 和明
,
小菅 智男
1国立がんセンター中央病院 肝胆膵外科
キーワード:
腫瘍進行度
,
腫瘍侵入性
,
リンパ行性転移
,
生存率
,
胆嚢腫瘍
,
肝外胆管
,
外科診断
,
治療成績
,
肝十二指腸間膜
,
神経周囲浸潤
,
胆管切除術
Keyword:
Diagnostic Techniques, Surgical
,
Gallbladder Neoplasms
,
Lymphatic Metastasis
,
Neoplasm Invasiveness
,
Neoplasm Staging
,
Survival Rate
,
Treatment Outcome
,
Bile Ducts, Extrahepatic
pp.1301-1306
発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007348334
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pT2以深の胆嚢癌の治療で、肝外胆管を切除すべきか否かは議論のあるところである。当科で1990~2006年に切除したpT2-4胆嚢癌123例中、肝外胆管に組織学的浸潤を認めなかった59例を対象として検討した。神経周囲浸潤を認めた場合、肝外胆管切除群(n=15)の生存率が温存群(n=7)よりも有意に良好であった(5年生存率50%vs0%,p=0.01)。一方、リンパ節転移を認めた場合は、肝外胆管切除(n=19)と温存群(n=6)の生存率は同等(p=0.87)であった。神経周囲浸潤の有無は胆管浸潤の有無や切除断端の陽性率と有意な相関関係があり、肝十二指腸間膜に近接する進行胆嚢癌症例は、予防的な肝外胆管切除の適応であると推論される。
©Nankodo Co., Ltd., 2007