特集 Common disease となった潰瘍性大腸炎の現状と診療のコツ
10.潰瘍性大腸炎からの発癌と手術療法
江本 成伸
1
,
石原 聡一郎
1
1東京大学腫瘍外科
キーワード:
潰瘍性大腸炎関連癌
,
異形成
,
内視鏡サーベイランス
,
回腸囊肛門(管)吻合
Keyword:
潰瘍性大腸炎関連癌
,
異形成
,
内視鏡サーベイランス
,
回腸囊肛門(管)吻合
pp.803-810
発行日 2022年6月20日
Published Date 2022/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002242
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潰瘍性大腸炎(UC)長期罹患者には潰瘍性大腸炎関連癌(CAC)発生のリスクがある.罹病期間,高度・広範囲の炎症,原発性硬化性胆管炎合併などがリスクファクターとなる.CACは散発性大腸癌と発生のメカニズムが異なり,前癌病変のdysplasiaを経て発生し,多発する傾向にある.CACの早期発見のために定期的な内視鏡サーベイランスが非常に重要で,UC発症から8年目を目安にサーベイランスを開始する.CACは散発性大腸癌と比較して平坦で境界不明瞭な形態をとることが多く,未分化型腺癌の頻度が高い.背景粘膜の炎症も加わって内視鏡による診断が困難な場合がある.CACの標準治療は大腸全摘+回腸囊肛門(管)吻合術である.術後の排便機能の変化や回腸囊炎について知っておく必要がある.
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