Japanese
English
特集 炎症性腸疾患外科治療のcontroversy
〔クローン病に対する最適な外科治療とは?〕
長い狭窄性病変に対する術式―狭窄形成術か腸切除術か
Surgical strategy for long stenosis―strictureplasty or resection?
舟山 裕士
1,2
,
高橋 賢一
1,2
,
福島 浩平
3
,
小川 仁
4
,
羽根田 祥
4
,
徳村 弘実
1,2
,
佐々木 巖
4
Yuji FUNAYAMA
1,2
1東北労災病院大腸肛門外科
2東北労災病院外科
3東北大学大学院医学系研究科消化管再建医工学分野
4東北大学大学院生体調節外科
キーワード:
クローン病
,
狭窄形成術
,
腸切除術
,
狭窄
,
外科治療
Keyword:
クローン病
,
狭窄形成術
,
腸切除術
,
狭窄
,
外科治療
pp.651-658
発行日 2009年5月20日
Published Date 2009/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102562
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要旨:狭窄形成術は急性炎症,瘻孔,穿孔,膿瘍,蜂窩織炎を伴わない狭窄性病変に対して行われ,従来は長い連続性狭窄や短い間隔の多発性狭窄には適応が困難であったが,近年,術式の改良とともに適応病変が拡がりつつある.合併症が少なく,十分な効果が得られ,腸管の切除範囲が節約でき,腸切除術と同等の長期成績が得られるなど利点が多い.短い狭窄にはHeineke-Mikulicz法が多く用いられるが,長い狭窄,特に7~10cmを超える病変にはFinney法やJaboulay法が用いられる.さらに長い狭窄にはcombined Heineke-Mikulicz and Finney法やdouble Heineke-Mikulicz法,side-to-side isoperistaltic strictureplasty,side-to-side diseased to disease-free anastomosisなどを病変に応じて用いる.狭窄形成術は病変を残す術式であるが,術後には病変の改善が観察されるなど,今後のクローン病の病態の解明や外科治療の発展が期待される.
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