カラーグラフ 外科手術における新しいテクニック―new art in surgery・10
腹腔鏡下直腸低位前方切除術
國場 幸均
1
,
大辻 英吾
1
,
渡邊 昌彦
2
Yukihito KOKUBA
1
1京都府立医科大学消化器外科
2北里大学医学部外科
pp.157-163
発行日 2008年2月20日
Published Date 2008/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102023
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はじめに
腹腔鏡下直腸前方切除を安全に施行するためには,限られた骨盤腔内で良好な視野展開のもとに手術操作を進めなければならない.癌部に対しては愛護的に操作しつつ神経を温存して直腸の剝離や切離を行わなくてはならない.特に腸管切離部が低位になればなるほど,骨盤内の外科解剖を熟知している術者でも低位前方切除は難しくなる1~3).一方,腹腔鏡の拡大視効果は骨盤内操作においてきわめて有効である.すなわち腹腔鏡は骨盤内解剖の把握に有用で,視野展開に慣れれば出血なく安全に剝離・授動することができる.
本稿では,直腸癌の腹腔鏡下低位前方切除術の視野展開から,困難とされる腸管の切離・吻合に至るまでの工夫を紹介する.
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