特集 肛門疾患診療のすべて
7.肛門周囲膿瘍
肛門周囲膿瘍の診断と分類
後藤 友彦
1,2
,
栗原 聰元
3
,
新井 賢一郎
3
,
船橋 公彦
3
,
金子 弘真
3
,
寺本 龍生
4,5
Tomohiko GOTO
1,2
1升谷医院
2東邦大学医学部医学科
3東邦大学医学部外科一般・消化器外科
4国際医療福祉大学
5順和会山王病院外科
pp.183-189
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102333
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要旨 肛門周囲膿瘍は直腸肛門周囲に膿瘍を形成し,疼痛,腫脹,発赤,発熱を呈する疾患である.病態は,細菌が肛門陰窩から侵入し,肛門腺に感染して膿瘍が形成され(crypt-glandular infection theory),さらには直腸肛門周囲の間隙に炎症が急性に波及し膿瘍を形成するものである.診断には直腸肛門診(双指診)が最も有用である.CT,MRI,肛門エコーは補助診断として参考となる.疼痛が激しく直腸診ができない場合には,腰椎麻酔下に直腸肛門診,肛門エコーを行って診断することも必要である.膿瘍が形成された部位によって皮下膿瘍,粘膜下膿瘍,低位筋間膿瘍,高位筋間膿瘍,坐骨直腸窩膿瘍,骨盤直腸窩膿瘍と分類される.
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