特集 肛門疾患診療のすべて
6.裂肛
裂肛の手術療法
野垣 正宏
1
,
桐山 幸三
1
Masahiro NOGAKI
1
1野垣会野垣病院肛門科・外科
pp.175-180
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102332
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要旨 裂肛で手術が適応になる症例は保存的治療の限界症例であり,多くの場合,患者は便秘,肛門狭窄,肛門痛による悪循環に悩んでいる.手術療法は厳密に適応を守って行えば病状の改善が劇的に得られることが多く,非常に有効な治療法である.現在,標準的に行われている術式には肛門拡張術,内肛門括約筋側方切開術(LIS),肛門形成術(SSG法,V-Y形成術)があり,内括約筋のspasmの程度や裂肛による肛門上皮の瘢痕狭窄の程度によってその手術適応が決められる.いずれも肛門括約筋に何らかの影響を与える術式であって,術後のincontinenceの問題もあり,手術に際してはインフォームド・コンセントを十分に行い,慎重に症例を検討する必要がある.
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