Japanese
English
特集 実践に必要な術後創の管理
予防抗菌薬の最近の話題―有効性と耐性化予防の観点から
Current strategies of antimicrobial prophylaxis for surgical site infections
大毛 宏喜
1
,
首藤 毅
1
,
島筒 和史
1
,
曽我 祐一郎
1
,
林谷 康生
1
,
上村 健一郎
1
,
村上 義昭
1
,
末田 泰二郎
1
Hiroki OHGE
1
1広島大学大学院医歯薬学総合研究科病態制御医科学講座外科学
キーワード:
予防抗菌薬
,
膵頭十二指腸切除術
,
ertapenem
,
嫌気性菌
Keyword:
予防抗菌薬
,
膵頭十二指腸切除術
,
ertapenem
,
嫌気性菌
pp.943-949
発行日 2008年7月20日
Published Date 2008/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102190
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要旨:従来,推奨されてきた予防抗菌薬の薬剤選択の妥当性について疑問を呈する知見が最近,出てきている.まず,膵頭十二指腸切除術で術前に胆道ドレナージを要する症例では胆汁中の菌種が変化しており,第一世代セファロスポリンの有効率は約30%にすぎない.術前ドレナージの有無もしくは胆汁培養結果を元にした薬剤選択によって良好な術後感染予防効果が得られる.また,大腸外科手術におけるターゲットの1つである嫌気性菌は,頻用されているセファマイシン系薬剤に耐性が進んでいる.カルバペネム系薬であるertapenemを使用した報告は薬剤選択に一石を投じるものである.耐性菌予防の観点からは腸内嫌気性菌の重要性が増している.耐性菌リザーバーとしての役割が指摘されており,嫌気性菌温存のための予防抗菌薬投与期間の短縮が望ましい.
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