Japanese
English
綜説
抗菌剤の最近の話題—特に耐性菌を中心として
Drug Resistance of Bacteria: Plasmid Resistance
三橋 進
1
,
伊予部 志津子
1
,
井上 松久
1
Susumu Mitsuhashi
1
1群馬大学医学部微生物学教室,群馬大学医学部耐性菌研究施設
1Department of Microbiology, Laboratory of Bacterial Resistance School of Medicine Gunma University
pp.523-534
発行日 1979年6月20日
Published Date 1979/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202755
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はじめに
抗菌剤のめざましい発展とその威力にもかかわらず現在なお感染症が重要視されているのは,薬剤耐性菌の出現とそのすみやかな伝播が多くの抗菌剤を無力にしているからである。特に毒力が弱いのにもかかわらず感染性定着性の強い性質をもつために長期入院患老に感染し,種々の抗菌剤に対して耐性化した菌による病室の汚染も感染症の治癒を妨げる大きな原因となつている。われわれは耐性菌が如何に増え広がつていくかを遺伝学的な立場から調べ,更に生化学的立場からこれら耐性菌に対してどのような抗菌剤を用いるかを研究してきた。以下耐性菌の伝播,薬剤耐性の機構について最近の知見を述べ,加えてどのような抗菌剤が現在求められ開発されつつあるかを紹介する。
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