膵癌の外科治療は進歩したか
膵癌に対する縮小手術はどこまで許されるか
首藤 毅
1
,
村上 義昭
,
上村 健一郎
,
林谷 康生
,
大毛 宏喜
,
末田 泰二郎
1広島大学 大学院病態制御医科学講座外科
キーワード:
医学用イラストレーション
,
膵切除
,
膵臓腫瘍
,
膵頭十二指腸切除
,
膵胃吻合術
,
幽門輪温存膵十二指腸切除
Keyword:
Medical Illustration
,
Pancreatectomy
,
Pancreatic Neoplasms
,
Pancreaticoduodenectomy
pp.592-600
発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008227100
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
膵癌に対する集学的治療においては根治性と機能温存を考慮した術式選択が重要である。膵頭部病変に対する縮小手術は全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)、十二指腸温存膵頭切除術(DPPHR)、膵頭部切除兼十二指腸第II部切除術(PHRSD)、膵頭側区域切除術がある。膵体尾部病変では脾温存膵体尾部切除術(SPDP)、膵中央切除術(MP)がある。膵癌に対してはTS1でも高率に局所浸潤やリンパ節転移を認めるため標準術式と同様にR0手術による根治性の追求が必要である。膵上皮内癌にはDPPHR,PHRSD,SPDP,MPが適応となるが、その術前診断は困難である。現時点で膵癌に対する縮小手術として許されるのは標準術式に根治性で劣らないPPPDのみと考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2008