外科栄養 最近の進歩
肝胆膵 胆道癌周術期の栄養管理
菅原 元
1
,
小田 高司
,
西尾 秀樹
,
江畑 智希
,
横山 幸浩
,
安部 哲也
,
伊神 剛
,
上原 圭介
,
梛野 正人
1名古屋大学 大学院腫瘍外科
キーワード:
経腸栄養
,
患者管理
,
胆汁
,
胆道腫瘍
,
プロバイオティクス
,
栄養管理
,
プレバイオティクス
Keyword:
Bile
,
Biliary Tract Neoplasms
,
Enteral Nutrition
,
Patient Care
,
Probiotics
,
Nutrition Therapy
,
Prebiotics
pp.1099-1103
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008337918
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胆道癌術後に生じうる感染性合併症の原因の一つに、腸内細菌のbacterial translocation(BT)があげられる。当教室ではこの予防を目的として、(1)周術期の腸管内への外瘻胆汁の返還、(2)周術期のシンバイオティクス投与、(3)術後早期からの経腸栄養投与、を重要な栄養管理対策として胆道癌手術症例に行っている。胆汁返還により、閉塞性黄疸のために亢進した腸管粘膜の透過性が改善される。周術期にシンバイオティクスを投与することで、腸内細菌叢、生体免疫機能および術後の炎症反応が改善される。また術後に経腸栄養投与を行うことで、腸管の免疫学的バリアの低下を防ぐことができる。これらの栄養管理対策が確立した後の胆道癌術後の感染性合併症の発症は減少している。
©Nankodo Co., Ltd., 2008