カラーグラフ 正しい外科切除標本の取り扱い方 25(最終回)
肺の切除標本の取り扱い方
佐藤 之俊
1,2
,
奥村 栄
1
,
中川 健
1
,
石川 雄一
2
Yukitoshi Satoh
1,2
1癌研究会附属病院呼吸器外科
2癌研究会癌研究所病理部
pp.449-455
発行日 2003年4月20日
Published Date 2003/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101351
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はじめに
肺においても,他の臓器と同様に切除標本が正しく取り扱われ,正確な病理診断が記録,保存,報告されることは,とくに肺癌の術後病期の決定,抗癌剤投与や放射線照射などの適応を含めた治療方針の決定,癌の病態の把握・解明,分子生物学的解析などの面からきわめて重要である.また,各施設に共通した取り扱い方法によって切除肺が処理されることは,相互の情報比較,癌の病態解明を可能にするものである.本稿では,主として肺癌に対し手術によって切除された肺,リンパ節,合併切除臓器などの取り扱い法,その記録の記載法,病理所見の記載法などについて当科における手法を中心に述べる.さらに「肺癌取扱い規約」に基づいた記載法についても言及したい1).
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