目で見る外科標準術式・39
甲状腺分化癌に対する気管・喉頭合併切除
中尾 量保
1
,
仲原 正明
2
,
黒住 和史
2
Nakao Kazuyasu
1
1大阪警察病院
2大阪警察病院外科
pp.519-525
発行日 2003年4月20日
Published Date 2003/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101362
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はじめに
甲状腺分化癌の予後は良好であり,10年生存率は平均的に90%を越える.しかし,中には局所浸潤性の強い癌があり,その多くは低分化癌である.また,甲状腺は解剖学的に生命に直接影響を及ぼす気管,頸動脈などの重要臓器と接しているので,それらの臓器に癌が進展した時に対処の仕方が問題となる.甲状腺分化癌の場合には生物学的にも進展が遅く予後が良好であること,もう一つには手術以外の化学療法や放射線療法などの有効性が示されていないという理由で,局所根治性が得られる限りにおいて浸潤臓器を合併切除することはQOL,予後が改善されるので手術適応と考えられる1).
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