特集 小外科・外来処置マニュアル
Ⅳ.胸部
55.気道内異物
猪口 貞樹
1
INOKUCHi Sadaki
1
1東海大学医学部専門診療学系救命救急医学
pp.179-181
発行日 2004年10月22日
Published Date 2004/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100831
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気道内異物の特徴
気道内異物は健康な成人(青壮年)に起こることは少なく,主に(1)小児(特に乳幼児),(2)高齢者,(3)泥酔・薬物乱用などによって意識の低下した成人,(4)神経・筋疾患などの既往例,にみられる.また,食物(豆類,飴,餅など)やコイン,玩具,義歯などの誤嚥が原因となることが多い.
咽頭・喉頭および気管内の異物は,しばしば気道閉塞をきたして呼吸困難や窒息の原因となるが,気管支より末梢側の気道閉塞では,ある程度の換気が維持される.気道閉塞によって窒息もしくは切迫窒息をきたした場合,数分のうちに心停止に陥る可能性があるので,迅速な対応が必要である.また,窒息をきたすと死亡率は高く,意識消失あるいは心肺停止状態で医療機関へ搬送されてくることも少なくない.
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