Japanese
English
特集 消化管機能温存を考えた外科手術最前線
〔癌手術における機能温存および機能再建術―直腸癌〕
新肛門―直腸癌手術における排便機能再建術
Neo-anus to reconstruct the defecatory function after rectal cancer surgery
佐藤 知行
1
,
澁澤 公行
1
,
中村 英美
1
,
森嶋 計
1
,
五十嵐 敦
1
,
小西 文雄
2
Tomoyuki Sato
1
1国際医療福祉大学臨床医学センター外科
2自治医科大学大宮医療センター外科
キーワード:
新肛門
,
陰部神経
,
肛門括約筋
,
直腸癌
,
マイルズ手術
,
肛門機能
Keyword:
新肛門
,
陰部神経
,
肛門括約筋
,
直腸癌
,
マイルズ手術
,
肛門機能
pp.1571-1577
発行日 2005年12月20日
Published Date 2005/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100303
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要旨:直腸癌で腹会陰式直腸切断術が施行される場合,肛門が切除されストーマが造設されるが,ストーマを回避する方法として「新肛門」がある.陰部神経は元来,肛門括約筋を支配し肛門の運動・感覚を司る.新肛門造設は,その陰部神経を再支配させた大殿筋を用いて括約筋を再建することを根幹とする術式であり,直腸,肛門,括約筋のすべてを再建する必要がある.便失禁は認められるが,ストーマとの比較で8割の満足度を得る.2期手術法に比較し3期手術法には利点が多く,現在では3期手術を選択することが多い.過去に直腸切断術を受けた患者にも2005年より新肛門造設を開始した.本術式は日本オリジナルで,いまだ他施設で追試されていない術式ではあるが,臨床開始から10年が経ち,新たな段階に入ったと言える.
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