増刊号 早わかり縫合・吻合のすべて
4章 術式別の縫合・吻合法
大腸
腹会陰式直腸切断術での縫合—欠損の多い会陰創の再建
木村 慶
1
,
池田 正孝
1
,
宋 智亨
1
,
竹中 雄也
1
,
馬場谷 彰仁
1
,
安原 美千子
1
,
片岡 幸三
1
,
別府 直仁
1
,
内野 基
2
,
池内 浩基
2
Kei KIMURA
1
1兵庫医科大学消化器外科学講座 下部消化管外科
2兵庫医科大学消化器外科学講座 炎症性腸疾患外科
キーワード:
直腸癌
,
腹会陰式直腸切断術
,
マイルズ手術
,
腹直筋皮弁
Keyword:
直腸癌
,
腹会陰式直腸切断術
,
マイルズ手術
,
腹直筋皮弁
pp.208-215
発行日 2020年10月22日
Published Date 2020/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213146
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直腸癌は局所再発率が結腸癌と比較して高い.局所再発を軽減するためにcircumferential resection margin(CRM)を確保できる術式を選択することが重要である1).近年,肛門近傍下部直腸癌に対する肛門温存手術である括約筋間直腸切除(intersphincteric resection:ISR)が施行されることも増えてきたが,T3進行下部直腸癌に対してはCRMの確保のために腹会陰式直腸切除断術(abdominoperineal resection:APR)が適切な場合が多い2).また,隣接臓器に浸潤するT4b進行直腸癌に対しては骨盤内臓全摘(total pelvic exenteration:TPE)を含む他臓器合併切除を行う必要がある3).しかし,このような術式は術後合併症の発生頻度が高く,術後の骨盤内感染症を予防するめに死腔を減らす工夫が必要となる4).
本稿では,われわれの施設で定型化しているロボット支援下APR,ストーマ造設の手術手技・縫合糸の選択,また骨盤内死腔を埋めるための骨盤内再建の工夫について解説する.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2025年10月末まで)。
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