Japanese
English
特集 肝切除のコツを知る―出血を少なくするために
Pringle法の要点
The technical aspects of the Pringle maneuver
竹内 幹也
1
,
近藤 哲
1
,
平野 聡
1
,
田中 栄一
1
,
原 敬志
1
,
斉藤 克憲
1
,
七戸 俊明
1
,
川原田 陽
1
,
宮本 正樹
1
,
森川 利昭
1
Motoya Takeuchi
1
1北海道大学大学院医学研究科腫瘍外科
キーワード:
肝切除
,
Pringle法
,
portal pedicle isolation technique
Keyword:
肝切除
,
Pringle法
,
portal pedicle isolation technique
pp.965-970
発行日 2005年8月20日
Published Date 2005/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100153
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要旨:肝切除に際し,出血を少なくする工夫の1つとしてPringle法が知られている.本法は肝十二指腸間膜で血流を一括遮断することにより,肝切離時の出血を減少させることを目的としているが,さらに肝阻血域の選択性をもたせた血行遮断も可能である.具体的には,肝門部でGlisson左枝,右枝をそれぞれテーピングし,右枝についてはさらに右前枝,右後枝を遊離してテーピングする.肝切離の際には,これらのテープを用いて切離面に隣接する領域を選択的に阻血することで,出血をコントロールしつつ温存すべき肝実質の阻血による障害と門脈あるいは腸管のうっ血を予防することができる.またGlisson枝を末梢に追求することで,さらに細かい領域での選択的肝切除が可能となる.本稿では,Pringle法と,より選択的な血行遮断のための手技(portal pedicle isolation technique)の実際について述べ,さらに術後の肝障害を軽減するための工夫についても考察する.
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