Japanese
English
総説
αB—クリスタリンと神経疾患
αB-crystallin in Neurological Diseases
岩城 徹
1
Toru Iwaki
1
1九州大学医学部附属脳神経病研究施設病理部門
1Department of Neuropathology, Neurological Institute, Faculty of Medicine, Kyushu Universty
キーワード:
αB-crystallin
,
inclusion body
,
Rosenthal fiber
,
ballooned neuron
,
ragged-red fiber
Keyword:
αB-crystallin
,
inclusion body
,
Rosenthal fiber
,
ballooned neuron
,
ragged-red fiber
pp.319-328
発行日 1997年4月1日
Published Date 1997/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901089
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はじめに
水晶体を構成する水溶性蛋白質群をクリスタリン(crystallin)と総称する。哺乳類のクリスタリンは分子量の大きさの順にα,β,γに分けられる。このうち,α—クリスタリンは二つの遺伝子産物,αAとαBから成っており,特にαB—クリスタリンは水晶体以外の組織にも発現がみられ,反応性アストロサイトに蓄積しRosenthal線維の主要構成成分である。また神経細胞においても種々の変性産物に関連して蓄積してくる。今回,αB—クリスタリンの最近の分子生物学的知見とともに神経疾患における発現およびその意義について概説してみたい。
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