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75歳男性で,肺小細胞癌に伴って亜急性感覚性ニューロパチーを呈した。運動神経伝導検査の異常は軽度であったが,感覚神経伝導検査ではほとんど神経活動電位を誘発できなかった。尺骨神経での運動神経伝導検査に際して,強刺激時にF波とほぼ同じ潜時から3〜4msecごとに3〜5発繰り返される特異な多重発射が観察された。刺激位置を近位部に移動すると潜時が短縮する間接発射の性質をもち,M波とこの多重発射の潜時の和は常にほぼ一定であった。また,閾値以上の強刺激で常に出現し,波形が一定であったことから,同一運動単位に由来する繰返し発射と考えられた。一方,その潜時にjitterがみられ,対刺激時にも残存したが,発射回数が衝突により減少した。以上から,本例でみられた多重発射の起源は軸索起始部近辺と考えられ,亜急性感覚性ニューロパチーに伴って生じた前根付近の電気的不安定部に由来するものと推定された。
Repetitive discharges of a motor unit potential were observed during ulnar nerve conduction studies in a patient with pathologically verified carcinomatous sensory neuropathy. The repetitive discharges in this patient had a latency similar to that of the F-wave latency. The first discharge was followed by discharges identical in configuration every 3 to 4 msec.
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