Japanese
English
特集 ALS(Motor neuron disease)
Bunina小体
Bunina Body in Amyotrophic Lateral Sclerosis
高橋 均
1
,
生田 房弘
1
Hitoshi Takahashi
1
,
Fusahiro Ikuta
1
1新潟大学脳研究所実験神経病理学部門
1Department of Pathology, Brain Research Institute, Niigata University
キーワード:
Bunina body
,
amyotrophic lateral sclerosis
,
ultrastructure
,
immunohistochemistry
,
nature and origin
Keyword:
Bunina body
,
amyotrophic lateral sclerosis
,
ultrastructure
,
immunohistochemistry
,
nature and origin
pp.525-532
発行日 1992年6月1日
Published Date 1992/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900345
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はじめに
Bunina小体は,1962年,旧ソ連のBunina1)によって家族性筋萎縮性側索硬化症の脊髄前角と脳神経(VIIとXII)核の運動ニューロン内に初めて見出された好酸性封入体である。その後の多くの研究から,本小体は家族性(後索型を除く19)),孤発性およびGuamにおける筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral scle—rosis, ALS)の下位運動ニューロンにおいても認められ5),とくに古典型,孤発性ALSではほぼ全例に出現していることがわかってきた22,28)。しかしながら,これまで非ALS例において,典型的なBunina小体が確認されたとの報告はなく,現在のところ,本小体はALS,とくに孤発性ALSに唯一特異的な病理形態学的所見として捉えることが可能である22)。
本稿では,このBunina小体に関するこれまでの光顕,電顕および免疫組織化学的所見を整理するとともに,これらの知見を踏まえて最も重要な問題と考えられる本小体の本体は何か,について考察を加えてみたい。
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