連載 症候学メモ・51
Babinski徴候とNeuroscience
平山 惠造
1
1千葉大学神経内科
pp.410
発行日 1989年4月1日
Published Date 1989/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206301
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◆おびただしい数の神経学的症候の中には,その機序の解明されてないものが,これまた沢山ある。それらが基礎神経科学的に明らかにされることを,神経内科医のほとんど全ての人が期待している。その願望の強さは人により強弱があろう。中には機序の解明されたものでなければ症候学的に価値がないと思う人もいれば,中には機序というものは所詮は仮説であって,解明し切れるものではなく,症候の理解に役立てばよいと思っている人もいる。
◆ヒトの神経系は非常に複雑なので,基礎神経科学が発達するほど,一層説明の難しくなっているものもある。腱反射の亢進は,以前は下位運動ニューロンを抑制している上位運動ニューロンが損傷されれば,その抑制がとれるので亢進する,と説明されたが,今日ではもっと複雑な説明が付け加えられている。
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