症候群・徴候・5
Babinski-Nageotte (ババンスキー・ナジョット)症候群
平山 恵造
1
1順大脳神経内科
pp.184
発行日 1974年2月1日
Published Date 1974/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203495
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BabinskiとNageotte (1902)は延髄半側の広汎な軟化性病変により後述するような一連の症状を呈した症例を報告した。後年,これをBabin—ski-Nageotte症候群と呼んだのはPierre Marieであるといわれている。
彼らの報告は1例の解剖例を含む3例の観察から成つていて,互に可成り似た臨床症状を呈しているが,copyしたように同じものではない。その症状の主体は,論文の表題にある如く,Hémiasynergie, latéro—pulsion et myosis bulbairs avechémianesthésie et hémip1égie cro—iséesである。即ち,病変と同側性に,特に下肢にみられるasynergieを主体とするhémiataxie (上肢には極く軽い振戦のみ)と,縮瞳並びに瞼裂狭小を呈するHorner症候群がみられ,病変と対側性に,頸以下の半身麻痺と知覚障害がみられる。顔面知覚障害は或いは病変と同側性に,或いは両側性にみられる。この他,水平性(時に垂直性)眼振と軟口蓋半側麻痺が病変と同側性にみられる。
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