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特集 脊椎脊髄の冠名徴候・症候群
Ⅰ.冠名徴候
第1章:錐体路障害の徴候
Babinski徴候の変法—Strümpell徴候,Schaefer反射,Chaddock反射,Oppenheim反射など
Different Methods Exciting Babinski Sign
髙橋 昭
1
Akira TAKAHASHI
1
1名古屋大学
1Nagoya University
キーワード:
病的反射(pathologic reflex)
,
錐体路徴候(pyramidal tract sign)
,
Chaddock反射(Chaddock reflex)
Keyword:
病的反射(pathologic reflex)
,
錐体路徴候(pyramidal tract sign)
,
Chaddock反射(Chaddock reflex)
pp.238-241
発行日 2015年4月25日
Published Date 2015/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200062
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はじめに
錐体路徴候としてのBabainski徴候は,神経学領域の中の冠名として,最も広く知られている.その錐体路徴候としての意義の評価は高く不朽である.医学の中での冠名を好まなかったWartenbergは,彼の著した名著『神経学的診察法』18)の中でBabinski徴候の名を唯一の冠名として扱っている.彼は「Babinski反射の“変法(modification)”のリストは際限なく(ad infinitum)拡大され得る.(中略)厳密にいえば,Babinski反射の変法はない;ただ唯一Babinski反射あるのみである.しかし,母趾の背屈を誘発する手技にはたくさんのものがある」と述べている.また,「不幸にもBabinski手技の変法を発表した多くのものは(中略)学生の頭に厄介な混乱を巻き起こしている.これらには,Schaefer,Gordon,Trömner,Gondaらの手技がある」との強い批判を加えている.
以下,本項に述べる反射は,これまで報告されてきた数多いBabinski徴候の誘発手技の変法のうち,教科書などで比較的紹介されることの多い手技である.
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