連載 症候学メモ・29
Babinski徴候の誘発刺激
平山 惠造
1
1千葉大学神経内科
pp.424
発行日 1987年5月1日
Published Date 1987/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205902
- 有料閲覧
- 文献概要
◆ Babinski徴候は皮膚に与える刺激と,それに反応する趾(あしゆび)の動きとから構成されている。趾の動きは,その背屈や開扇運動からなるが,特に𧿹趾(おやゆび)の緊張性の背屈現象が重要視されている。それについてここでは説明を加えないが,どれは陽性で,どれを陰性とするか,あるいはいずれとも判定できない場合など,実際には難しい問題を含んでいる。最近は,神経学的所見を入力すると,診断が打ち出される機器も開発されて来ているようであるが,入れる情報に問題があれば,答えは誤る。
◆ さて,足底の刺激であるが,足底を踵に近い方から,趾の方へ向って,やや鋭利なもので,ある程度の力をこめてこする,とされている。その場合,Babinsk重徴候が出やすいのは,足底の内側半より外側半である。
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.