書評
—編集 佐野 圭司(東京大学名誉教授・帝京大学教授)・半田 肇(京都大学教授)—脳神経手術管理法 改訂第2版
永井 政勝
1
1獨協医科大学脳神経外科
pp.248
発行日 1985年3月1日
Published Date 1985/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205476
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現在の日本の脳神経外科学界を代表される二人の大御所,佐野圭司教授と半田肇教授の編集に成る「脳神経手術管理法」の第2版が装いを新たにして出版された。同じ編者らによる第1版の発行から丁度10年目である。第1版を座右に置いて大いに活用させて頂いたわれわれにとって今回の改版は極めて有難く,大きな朗報である。この10年間における脳神経外科およびその関連分野の進歩発展はまさしく編者の言われる「天翔ける」ものがあったから尚更のことである。
たとえばCT一つをとって見ても,わが国にCTが導入されたのは1975年であるから,1974年の出版である本書の第1版には当然のことながら一枚のCTの写真も載っていないのであるが,改めてこのことを指摘されるとむしろ不思議な感じさえ起り,この間の大きな変化と発展に今更のように驚くのである.十年一昔という歴史の流れをこのくらい如実に示している事例はむしろ珍しいことかも知れないが,この一事を以てしても第2版出版の必然性が明らかであり,その意義の深いことが理解されるであろう。
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