--------------------
あとがき
平山 恵造
1
1千葉大
pp.1169
発行日 1981年11月1日
Published Date 1981/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204854
- 有料閲覧
- 文献概要
速報と短報
速報というのがある。ときに短報ともいう。速報と短報とは字義に従えば異なるが,実習にはあまりうるさく区別されていないことが多い。最新のデーターを得たときや,稀有な症例をみたときに,一つにはpriorityのためもあって,人に先がけて報告しておこうというのが速報である。これはえてして,そのエッセンスを書くので短報になることが多く,また短くすることが義務づけられている。全く速報的性格をもたない短報というものがあるとすれば,内容的にあまり大したことではないが一寸気づいたので,報告しておこうというものであろう。こういう類の短報は実際には少ないと思う。
ところでこの(速報的)短報には取扱い上いろいろ相違がある。例えば身近な神経学関係の雑誌をみてみると,「臨床神経学」では短報も原著として取扱うと規定されており,「神経内科」では原著とは区別している。「神経外科」では原著との関係について規定されておらず,「脳神経外科」では速報,短報の取扱いはない。それを如何に取扱うかは,それによってそれぞれの雑誌がどのような特色を出すかに関っていて,是非を論ずる対象の外である。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.