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特集 最近注目の神経ペプチド
神経ペプチドの化学と測定法
Chemistry and radioimmunoassay of neuropeptides.
矢内原 昇
1
Noboru Yanaihara
1
1静岡薬科大学生物薬品化学
1Laboratory of Bio-organic Chemistry, Shizuoka College of Pharmacy
pp.489-503
発行日 1980年5月1日
Published Date 1980/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204583
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はじめに
中枢のペプチドとしてもっとも古くから知られ,神経伝達物質として確実な地位を得つつあるものが,subs—tance Pである1,2)としても,神経ペプチドが,物質レベルで理解できるようになつたのはGuilleminおよびSchallyら2グループによる精力的な研究により,視床下部からTRH,LH-RHなどの放出ホルモン,あるいは放出抑制ホルモンであるソマトスタチンの単離およびアミノ酸配列の決定がなされて以来である。すなわち,1969年,SchallyおよびGuilleminらがほぼ同時にそれぞれブタおよびヒツジ視床下部数十万個を用いて,TSHの放出を刺激するホルモン,TRHを単離し,トリペプチドアミド,pGlu-His-Pro-NH2であることを示したが,これが神経ペプチドとして構造が明らかにされた最初のペブチドとなつた3)。
一方,1970年になり,Leemanら4)はウシ視床下部抽出物から唾液分泌促進作用を有する物質を見いだし,その性状からsubstance Pそのものであることを明らかにした。1971年には1次構造5)が決定され,ただちに合成によつて構造が確認された。
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