書評
—加瀬正夫・亀山正邦 編—「脳卒中の臨床」
大友 英一
1
1浴風会病院
pp.133
発行日 1980年2月1日
Published Date 1980/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204536
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第16回日本神経学会(会長,加瀬正夫)において"脳血管障害と調節障害"という少々ユニークなテーマがシンポジウムとしてとりあげられたが,本書はこれにおける発表に幾つかのテーマを追加して編集されたものである。
まず,I.最近の新しい脳血管障害の分類とにれの説明に始まり,II"急性期脳血管障害の値臨床と治療上の問題点"として以下の事柄が論ぜられている。"重症度の鑑別"の項は本書の特徴の一つであり,とくに脳ヘルニア,二次的脳幹障害について診断上から詳述されており,注目される。次に"病態"としてまず,A."水,電解質異常とその対策"で尿量,ナトリウム代謝異常を中心に症例をあげて述べられ,B.としては脳血符障害におけるrisk factorとしてのレニン—アンジオテンシン—アルドステロン系について著者らの成績と文献的考察が詳述されている。
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