書評
—総編集 亀山正邦・亀田治男・高久史麿・阿部令彦—今日の診断指針 第2版
塚本 玲三
1
1茅ケ崎徳洲会病院
pp.769
発行日 1988年8月1日
Published Date 1988/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206159
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3年前,「今日の診断指針」初版を初めて目にした時,本書を見さえすれば,簡単に疾患の診断基準や診断方法が分かるので,種々の参考書を開いて搜し求める必要がなくなり,「なんと便利な本が出版されたことよ」と私は大変感激したことを覚えている。そして,その後座右において愛用してきた。このたび第2版が出版された。本書は,初版よりもさらに100近く項目数が増え,より図表が多く掲載され大変読み易くなっている。また,英文の索引が新たに付け加えられたために,さらに一層便利になった。
本書は臨床医学全般にわたってわが国の各医学分野の代表的な専門家734名といった厖大な数の著者の叡智を集大成したものであり,内容が極めて充実している。最近の医学の進歩は目覚ましく,とても臨床医学全般にわたって治療法はもちろん,診断基準や診断方法を記憶しておくことは不可能である。したがって,本書および本書の姉妹書にあたる「今日の治療指針」を座右において絶えず参照することによって,upto dateな臨床医学のレベルを維持することが可能になると思われる。本書には,症候あるいは疾患に対して,診断の方法および基準,鑑別診断,診断がつかない時の対処の仕方,予後の判定,治療のポイントなどがきめ細かく,しかも極めて分かり易く記されており,プライマリ・ケアに従事する研修医および開業医諸氏には不可欠の書であり,またその他のすべての臨床家にも極めて有用な書と思われる。
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