Japanese
English
総説
脳の奇形の発生機序
Pathogenesis of brain malformations
島田 司巳
1
Morimi Shimada
1
1滋賀医科大学小児科学教室
1Department of Pediatrics, Shiga Medical College
pp.715-730
発行日 1977年7月1日
Published Date 1977/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204094
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I.はじめに
神経板からスタートしたヒトの脳は,できあがるまでにきわめて緻密で複雑な形態学的変容を遂げるが,その複雑さたるや他の臓器の比ではない。またその発生も細胞レベルにまで堀下げると,ニューロンの突起の分岐・伸展,シナップスの形成,ミエリン形成などが完了するには生後もなお数年を要する。
ところで脳の奇形は,無脳症のような重篤なものから脳梁欠損や異所性ニューロンのような組織レベルでの異常まで,その種類は実に多彩である。このように多彩な脳奇形が,胎生初期から出生後までの長期間に亘るきわめて複雑な発生過程と深いかかわりをもつことは周知のところである。
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